2011年5月8日日曜日

【読書メモ】選択の科学

選択の科学
選択の科学
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シーナ・アイエンガー
文藝春秋
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 厚さにビビってましたが(笑)、とても読みやすく、内容も納得の一冊。「選択」を自分で行った場合、他人に委ねた場合とでの満足感等、いろいろな観点で調査した結果について述べられている。選択肢が多いと購入率が下がるという有名な「ジャムの研究」についても触れられている。

 その他に印象的だったものを抜粋すると、
 九つの宗教(原理主義、保守主義、自由主義)の信者へのインタービューを行ったところ、多くの日常的な規則を課す原理主義に分類された宗教の信徒は他の宗教の信徒よりも宗教により大きな希望を求め、逆境により楽観的に向き合い、うつ病にかかっている割合も低かった。
 →制約は必ずしも自己決定感を損なわず、思考と行動の自由は必ずしも自己決定感を高めるわけではない。

 日米のそれぞれ100人の大学生に自分が決めたいこと、決めたくないことをたずねたところ、アメリカ人は日本人に比べ様々な事柄を自らの意志で決めたいと思う傾向が強い。逆に日本人はアメリカ人よりも決めたくないと挙げた項目の数がアメリカ人よりも多い。
 →文化的背景は選択を行う方法にも影響を及ぼす。

 自分は周囲の人とどのくらい似ているところがあるか?という質問に「それほどない」という答えが多いが、周りの人達は、あなたとどれくらい似たところがあるか?という質問には類似点が多く上がる傾向となる。
 →人はその他大勢と区別されるほどは特殊でいて、定義可能な集団には属していたい。

 バイアスに左右されない選択をするには、熟慮システムを通じて、ヒューリスティック(経験則)を利用または誤用した経験を一つひとつ検証し、分類する。自分がなぜ特定の選択に到達したかを自問自答する。
 →より良い選択をするには

 神話学者「ルイス・ハイド」:値踏みする者は、値段をつける対象から距離を置かなければならない。
 →選択が人に悪影響をおよぼすことがある。それらを避けるには、選択のプロセスを自分に有利に変えること。具体的には、冷静な判断ができないときは他人に選択を委ねるなど。


 

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