2011年3月13日日曜日

【読書メモ】傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)


本書は、それまで当たり前とされていた傷口の治療方法に一石を投じるもの。消毒、乾燥はむしろ治癒力を低める結果となる。

医師である著者は、それを踏まえて「湿潤治療」を推奨する。実際に、皮膚移植でしか治療の見込みが無いと言われた患者が筆者の病院で治療の結果、移植等を一切せず、傷口が綺麗に治っている模様が患部の写真と合わせて掲載されているので、説得力が高い。

ちなみに、「キズパワーパッド」という市販のバンドエイドも「湿潤治療」に沿った製品とか。

2011年3月12日土曜日

【読書メモ】BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
クリストファー・マクドゥーガル
日本放送出版協会
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本書は、自身、ウルトラマラソンランナーである記者が並外れた持久力をもつという伝説の「タウラマ族」を探し出すまで、そして、タウラマ族のメンバーとアメリカの著名ランナーたちとのウルトラマラソンの開催までを追ったドキュメント。

途方も無い距離をサンダルのような履物で走破してしまう事ができるのはなぜか?読み進めていくと、高級なシューズが実は怪我の原因になっているということに行き着く。

19歳と64歳の人のマラソンのタイムはそれほど変わらないのはなぜか?これについて読み進めると、走ることと人類の身体的特徴との関連に行き着く。

僕自身、サンデーランナー(笑)なので、ランニングシューズの下りは今までのシューズ観が否定されたようでちょっとショックでした。あやうく高い靴買おうとするところだった。。。

【読書メモ】ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
リチャード P. ファインマン
岩波書店
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 本書は、アメリカのノーベル賞受賞物理学者リチャード・P・ファインマン自らの体験談をまとめたもの。上巻(本書)では、少年時代から大学、大学教授、戦争中の研究者としての経験をユニークに語る。本人の語り口調で書かれている。

 僕は普段このような本は読まけど、喫茶店でのちょっとしたいたずら(コップになみなみと水つぎ、そこに支払い額のコインの入れ、カードで蓋をして逆さまにしてテーブルにのせて店を去る。)、知人の金庫を片っ端から開けてしまうくだりなど、あっという間に引きこまれてしまった。読んでいて思わずニヤッとしてしまう。

2011年3月7日月曜日

【読書メモ】防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備 (中公新書ラクレ)

防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備 (中公新書ラクレ)
清谷 信一
中央公論新社
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そういえば、国家防衛について中学校時に勉強して以来止まっているなと思い、成毛眞氏のBLOGで取り上げられたこの本があったので、読んでみた。

本書は、自衛隊の装備の実情、購入プロセスそして、法律に縛られた自衛隊の任務の遂行時ついて、諸問題を交えながら説明している。僕は、特別どこかの団体に所属していたりしていない、一般的な庶民だけど、この本は、普段なかなか触れることのない自衛隊の実情をかじる意味ではかなりの良書ではないかと思う。

これ一冊で、すべてを理解できるとは思わないが、危機意識が高まることは間違いない。大丈夫か〜!

・自衛隊の調達価格は諸外国に比べて3倍から5倍、兵器によっては10倍。
・自衛隊向けの無線機は規制等で大幅に機能が制限されており、訓練では無線よりも携帯電話のほうが確実。
・自衛隊の戦車は北海道に最新式のものが配備されているが、それ以外の地域には未だに30年以上前のものが現役である。
・護衛艦は海上保安庁のものより遅れている。

これらを読んで思うのは、無駄な購買プロセス、天下り、意思決定における柔軟性の欠如だ。まるで旧日本軍の歴史書をなぞったような気がする。。。。

ただ、一方で、一般の人ももう少し自衛隊について関心をもつべきではないかと思う。私自身、本書をよんでもっとや白紙っておけばという思いを強くした。自国の防衛に関心を持ってこのような書籍の読む人がひとりでも増えれば、問題意識が高まって、議論されて、良い方向にいくと思います。