2011年4月30日土曜日

【読書メモ】死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)

死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)
美達 大和
新潮社
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 この本の著者である、無期懲役囚は死刑制度を肯定している。本書では、なぜ肯定するのかについて、実際に服役している刑務所内の懲役囚の過ごし方、犯罪に対する考えを、同じ懲役囚からの視点を通じて、冷静に、そして具体的に述べている。

 絶対わからないであろう、「堀の中」の世界。この本一冊だけでそのすべてを測るのは早計かもしれないけれど、読んでおくことで、垣間見ることはできると思う。読み応えのある内容でした。

2011年4月25日月曜日

【読書メモ】儲けたいなら科学なんじゃないの?

儲けたいなら科学なんじゃないの?
堀江貴文 成毛 眞
朝日新聞出版
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 成毛眞氏と堀江貴文氏が科学技術についていろいろ持論を述べあった会話を文字に起こした内容。僕個人的には、巻末の成毛氏のおすすめ本が気になる。息抜きに。

【読書メモ】アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)

アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)
「NHKスペシャル」取材班
新潮社
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 アフリカって一括りでしかあまり印象がないワタクシ。ガーナチョコとかぐらいか。この本はNHK「アフリカンドリーム」というNHKスペシャルの取材班に参加したディレクターがまとめたもの。ケニア、ウガンダ、ルワンダ、エチオピア、ザンビア、タンザニア、ボツワナ、ジンバブエ、南アフリカについて綴られている。

 マサイ族の女性が民族衣装からおもむろにNOKIA製携帯を取り出す。写真もあったけど、不思議な光景。個人的に、民族対立のため、悲惨な虐殺のあったルワンダのあまりの変わり様にはびっくり。成長率は世界でもトップクラスの年8%。そんな国をリードしているのが、紛争時に海外に非難して、海外で教育を受けた人たち。納得。でもルワンダの不動産王の師匠は大阪人と聞いてなんか嬉しくなってしまう。

 エチオピア、ザンビア、ここには中国企業が資源争奪のもとに進出。当面は続くんだろうな。
 タンザニア、ボツワナの国々も資源争奪。こちらは主に金。富を持っていくのは結局、一部の人達だけで、広く行き渡るのはなかなか難しいんだなと。
 ジンバブエ。ここはのっけから経済破綻している国。原因はムガベ大統領その人。独立の英雄も経済についてはまるで素人で、巨額の富を独占。なるほど、これはどこぞの国とそっくりだ。国は変わっても無能な独裁者っていうのは同じなんだなぁと(笑)
 しかし、そんな国に住んでいる人々も黙っているだけでなくて、活路を隣国の南アフリカに。南アフリカはこのような不法就労のジンバブエ人を積極採用。経営者から見たら低賃金でこんなに真面目に働くジンバブエ人は格好の労働力。(ジンバブエは経済破綻する前は教育水準がアフリカでも随一のレベルだった)
 一方で、南アフリカの労働者も黙っていられない。仕事が取られちゃうわけだから。うまくいきませんな。

 ということで、なかなか読み応えのある本です。

【読書メモ】科学の扉をノックする

科学の扉をノックする
小川 洋子
集英社
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 作者はいろいろな文学の賞を受賞されている小川洋子氏。僕は初めて知りました。
 この本は小川氏がその道の専門家にインタビューをして、素朴な疑問を投げかける内容。自分も知ったつもりで実は知らないことがこの本で気付かされます。DNAはs¥細胞の核に入っている染色体の中にある二重らせんじょうのもの。遺伝子はそれらの二重らせんの化学物質のうち、タンパク質を作る指令を出しているもの、とか。

2011年4月17日日曜日

【読書メモ】潜入ルポ ヤクザの修羅場 (文春新書)

潜入ルポ ヤクザの修羅場 (文春新書)
鈴木 智彦
文藝春秋
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 著者はヤクザ専門誌を中心に寄稿するフリーライター。
この手の本初めて読んだわけですが、序章を読み始めてすぐに迫力あるエピソードで、一気に「修羅場」の世界に引きこまれてしまいました。

 読み進めると、いろいろ「その道」の内情を垣間見る事ができるわけで、この内容を1000円もしない書籍で読むことができるのは、はっきり言ってお得以上のものがあるのではないかと。こういったことも、読書の魅力であることを改めて認識した次第です。

【読書メモ】錯覚の科学

錯覚の科学
錯覚の科学
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クリストファー・チャブリス ダニエル・シモンズ
文藝春秋
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 本書は、数々の実験による実証を通じ、それは当事者による思い込み・錯覚ではと投げかける。取り上げられている実験は、目次から以下のとおり。(引用元より略して抜粋)

 ・えひめ丸の沈没現場      :注意の錯覚
  →見えていたのに見えていなかった。
 ・ヒラリーの戦場体験      :記憶の錯覚
  →体験していないのにあたかも体験したことのように述べてしまう
 ・冤罪事件           :自信の錯覚
  →被害者が無関係の人を犯人と思い込んでしまう。
 ・リーマンショックを招いた投資家:知識の錯覚
  →専門家でも普通に判断を誤る。
 ・俗説、デマゴーグ       :原因の錯覚
  →ワクチン接種で自閉症になるというデマはなぜ起きた。
 ・自己啓発、サブリミナル効果  :可能性の錯覚
  →「サブリミナル効果」に効果はありません。脳トレも意味なし。

 分厚く、取っつきにくいなぁと思いましたが、とても面白い内容。自分も脳トレ本買ったクチです。(^_^;)やっぱり錯覚にヤラれてたんですね。

 この本を読んで、自分の記憶、他人の証言、世間で言われていることについて、科学的根拠はなにか(実証及び反証によって証明されたものなのか?)というのを常に確認する癖が大切であることを再確認しました。

 この手の本はもっと読まないとだめだな>オレ



 

2011年4月10日日曜日

【読書メモ】99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)


 分類分けに迷いました。

 思い込み・先入観ってのややっぱり良くないことです。

【読書メモ】Motor Fan illustrated VOL.53―図解・自動車のテクノロジー (モーターファン別冊)


 この本は、自動車のボディ構造についてフォーカスしたもの。なかでも、部位ごとに使用される材質の強度について国産、外国車問わずカラーの文字通りのイラストで詳細に説明されています。

 有り体に言うと「やぱい」本(笑)。外国車にお乗りのボディ剛性オタク(ワタクシも含む)の方に是非おすすめします。自動車のメカモノの本は、まぁ買うほどでもないかなと思っても、やっぱり買おうと思ったら売り切れ、入手が困難になり、後悔することが体験上多いのですが、僕の場合、表紙を見て速攻入手しました。

 エンジン、サスペンション同様、メーカーごとのどのような思想で材質、強度を使い分けているかの一端が垣間見れ、ついつい、何度も読み返してしまいそうな本です。今度の新しいマーチって、そういう考えで作れれてたのね。。。。。パサートCCって実はかなりお得なクルマかもしれない、とこの本を読んだ後の感想です。。

【読書メモ】不眠症の科学 過労やストレスで寝つけない現代人が効率よく睡眠をとる方法とは? (サイエンス・アイ新書)


 不眠に関する様々な症状、病気が書いてあります。逆にたくさんありすぎて読むのにちょっと疲れました^^;寝不足のドライブはとても危険で、飲酒運転と同様に危険だと考えたほうが良い、ということはわかりました。

【読書メモ】動物園革命

動物園革命
動物園革命
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若生 謙二
岩波書店
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 動物園は、動物を身近に見れるっていう点では非常に魅力だけど、一方で本来野生の生き物を人工の施設に閉じ込めているという事実に自分自身葛藤がありましたが、この本を読んでなるほど必要な存在だと思いました。

 本書は、筆者による動物園の生息環境展示に取り組みを、アメリカの動物園の動きから、天王寺動物園、ズーラシア(チンパンジーの森)、長野市茶臼山動物園(レッサーパンダの森)の展示施設改修の模様を書いている。これを読んで改めて動物園に行けば、なるほどと思うかもしれない。自分も早速、ズーラシアに行きたくなりました。

【読書メモ】昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ (新潮選書)

昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ (新潮選書)
藤崎 憲治
新潮社
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本書は昆虫の生態、害虫としての昆虫と人類の取り組み、そして昆虫の仕組みに学ぶ科学的なアプローチについて論じている。

 最初の昆虫についての詳細な説明は僕には正直難しかった。

 害虫としての昆虫にどう向かい合うか、についてはとても興味深い内容。最初は強力な殺虫剤で駆除。しかし、これでは環境そのものへの影響や、同時に害虫の敵対する昆虫も殺してしまい、かえって害虫が異常繁殖してしまう結果になるなど、このあたりを呼んでいるとまるで複雑なパズルのようです。

 そして、殺虫剤から今度は害虫を駆除する天敵の昆虫を導入することによる駆除へ。ただ、農薬を全く使用しないことは不可能なので、あわせて、有機農法による減農薬栽培への取り組み。しかし、昆虫は環境と共に複雑に関係が絡んでいるので、結局必要なのは生物多様性で、そして、それらを育む豊かな自然が必要。。。。むむ、結局は自然を保全しなければ大変であることに行き着く。

 後半の昆虫の仕組みに学ぶアプローチは、比較的身近な例もあって読みやすい内容。反射鏡は猫の目の仕組みから、光の反射具合によって色が変わる塗装はチョウチョの羽からなどは聞いたことがあるのでは。

 個人的に読んでいておっと思ったことは、スズメバチ由来のアミノ酸から脂肪燃焼を促進するスポーツドリンクが開発されたことや、蜘蛛の糸は、同じ太さの鋼鉄の5倍、やケブラー繊維(防弾チョッキに使われるあれ)にも匹敵するとのこと。これはすごい。他にも、新幹線の風切り音低減に、フクロウの羽根の形状やカワセミ(これは昆虫ではないけど)のくちばし形状などが参考にされている。

 まだまだ昆虫には解明出来ていないことがあるそうなので、今後の様々な分野への応用には期待”大”でしょうか。