2011年6月20日月曜日

【読書メモ】博士のエンジン手帖―エンジンはほんまはこうなっとる! (モーターファン別冊 MFi叢書)


 この本は、マツダの元技術者で現在は自らエンジン研究所を立ち上げている畑村氏によるエンジンに関する蘊蓄(笑)。読んでいると、小排気量+過給器をプッシュしていることがよくわかる。どうも、マツダのSKYACTIVEもその性能を評価しつつ、なにか言いたそうなそんな気がする。。。

 自動車雑誌に載っている内容より一歩踏み込んでいる。当然、その手の本は他にもあるけれど、この本の面白いところは、時代背景を踏まえてメーカーの戦略、設計思想に踏み込んでいるところ。なぜこの時期のこの車種に、このタイミングでこのエンジンなのかなど。こういうことがわかれば、自動車メーカーの新車販売もメーカー戦略の観点からいろいろ探ることができる。この辺知っておくと、ディーラーでの営業さんと会話弾む。。。かもしれない。
 

2011年6月19日日曜日

【読書メモ】言葉の力 -   「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ)

言葉の力 -   「作家の視点」で国をつくる (中公新書ラクレ)
猪瀬 直樹
中央公論新社
売り上げランキング: 220

 この本は、猪瀬氏のツイッターで知った。まぁ、ある意味新しい広告媒体にハマったわけですが、この本は「言葉」にフューチャーしているところで興味を持った。

 猪瀬氏は読書離れを憂いている。「一冊の本を読むことは、2〜3時間他者の述べている事を我慢して聞くことと同じ」ということで読書を奨める。今、自分は読書にハマっているし、読書についていろいろ思うところもあるけれど、こういう見方もあるのかと思った。

 単に知識を身につけるだけではない、いろいろな楽しみがあるわけですね。

【読書メモ】とんでもなく役に立つ数学

とんでもなく役に立つ数学
西成活裕
朝日出版社
売り上げランキング: 740

 ちょうど、この本のまえがきを読みすすめると「渋滞学」って文字があったので確認すると、今読んでいる本のなかに「渋滞学」がありました。あらら、作者一緒だ。

 たぶん、これが基礎。まずは、概念から。数学の地図ってところがよかった。これをとっかかりにいろいろ数学関係の本を読み解いていこうと。本書は読み易くていいです。作者が同じなせいか、渋滞学のこともちらほら出てきます。

【読書メモ】日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)
イザヤ・ベンダサン Isaiah Ben-Dasan
角川書店
売り上げランキング: 55505

 本書は、「日本人は安全と水はただで手に入ると思っている」という有名な言葉の元となった本。今更ながらに読了。日本人の危機管理がネットで叫ばれているなか、ネット(フェイスブック)で紹介されていた明治大学 向殿先生の論文で名著として紹介。これは読まなきゃ。

 諸外国、特にアメリカと日本を比較する本はいろいろ出ているけれども、一方的日本をけなすだけで、解決策を示さない本が目に付くような気が。。。。単なる◯◯かぶれな本が目につくようになった。

 この手の本は、つまるところ、戦勝国から見た敗戦国って感じなのかな。または、西洋から見た東洋。先進国から見た後進国みたいな。どうしても、上から目線になってしまう。結局、「日本は駄目だ」ってことで結ばれる。何も知らない学生時代の僕は、アメリカかぶれになっちゃうわけではないけど、影響は受けたであろう。でも、この本はユダヤ人による著作。歴史的な背景を抜きにして第三者視点で語ってくれていると思う。

 そもそも、本書を手にとったきっかけは、今問題になっている福島原発の国のあまりにお粗末な対応から、「日本と欧米の安全思想の違い」というのが自動車ジャーナリスト:清水和夫氏のフェイスブック上でリンクされていた。ここで、引用されたいた明治大学 向殿先生の論文にもあった、「日本人は安全と 水は無料で手に入ると思い込んでいる」から興味を持った。

 この本にはいろいろと気づきがあって、長文になりそうだけど、手短にいくつか抜粋してメモってみる。
 日本人は計画的に物事を遂行するのが得意。納期もきっちり。(自分はそうでもないような気がするが。。。(笑))これは、中世の日本人の80%が農民だったことに由来するのかもしれない。農民は自然相手に分刻みのスケジュールを立てなければ収穫ができない。
 日本人は「人間」・「人間的」・「人間味あふるる」といった意味の人間という言葉を基準とした一つの立法を持っている。そしてこれを崇拝する宗教を信仰している。これにはとても関心させられる。この本を読んで最も納得したところ。この理屈で行けば、洋風で結婚式を挙げ、和風で葬式を執り行う日本人のこともなんとなく納得がいく。人間らしければ良いのです。もっと早く読んでおけばよかった。。。

2011年6月12日日曜日

【読書メモ】失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎
中央公論社
売り上げランキング: 107

 この本は、成毛眞さんの「本は10冊同時に読め!」で紹介されていた本。今年のベストかも。歴史も学べて、組織論もわかる。一粒で二度美味しい。
 現場(兵士達)は素晴らしい、けれどもそれを操る側がまるでダメ。なんか今の福島震災の政府の対応と似ているような気が。。。。自分自身、漠然と事実しか知らなかったノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦などの位置づけ、そして、経緯が克明に書かれている。本の厚さと表題に、正直最期まで読み続けられるか自信がなかったけど、読んでみるとその世界にのめりこんでしまう。
 分析の中で取り上げられる内容、グランドデザインの欠如、人情論に左右される組織決定、戦略目的の不統一などなど、他にも色々あるけれど、会社の組織をどうするかにも通じるものがある。

 しかし、これを読んでて強く思ったのは、第一線の兵士は、これらの問題のせいで命を失ってしまわれたことを思うとなんともやりきれない。

【読書メモ】いまだから知りたい 元素と周期表の世界 (じっぴコンパクト新書)

いまだから知りたい 元素と周期表の世界 (じっぴコンパクト新書)
京極 一樹
実業之日本社
売り上げランキング: 19136

 東日本震災以来、放射能に敏感になり、「日本は原子爆弾をつくれるのか」を読んだ。そこから、周期表の知識を深めるためにたまた小飼弾氏の書評ブログで紹介されてたのが本書。

 この本は、周期表の元素それぞれにページを割いている。飽きちゃうかと思ったけど最後まで読めました。一つ一つの元素についての解説はもちろん、材料共有の背景なども書かれてて興味深い内容。一回読んでおしまいじゃなくて都度参照する辞書みたいに使ってもいいと思った。

【読書メモ】環境を“感じる”―生物センサーの進化 (岩波 科学ライブラリー)

環境を“感じる”―生物センサーの進化 (岩波 科学ライブラリー)
郷 康広 颯田 葉子
岩波書店
売り上げランキング: 110260

 この本は、一年前に成毛さんの書評で紹介された本。長らく購入候補リストに入っていたけど他の本を読んでいてなかなか買えなかった。今回やっと購入。

6/14 追記
 本ブログにリンクも貼らせていただいている森山和道氏の書評サイトにも最近取り上げられてました。

 やや薄めの本だけど、値段はそこそこ。見る、聞く、嗅ぐといった感覚器について書いてある。色覚異常についての下りは興味深い。色覚異常は女性よりも男性のほうが多い。女性はX染色体を二つ持つが男性はXとYそれぞれ一つづつ。色覚異常でもっとも多い赤型オプシン、緑型オプシンはいずれもX染色体上に存在するから。
 他にも、辛さを感じる器官は味覚ではなく温度を感じる感覚器であることなど。
 比較的噛み砕いて説明してくれてるから読みやすい。

2011年6月5日日曜日

【読書メモ】渋滞学 (新潮選書)

渋滞学 (新潮選書)
渋滞学 (新潮選書)
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西成 活裕
新潮社
売り上げランキング: 9325

 この本は、成毛眞さん主催の「本のキュレーター 勉強会 第4回」で紹介された本。当日の様子を伝えるブログは(リンクあり)、東えりかさんの書評ブログ「本読みの理不尽」を読んで、興味を持った。

 最初、本書を手にとったときはクルマの渋滞について書かれている本かと思ったけど違った。渋滞というメカニズムに焦点を当てている。だから、クルマの渋滞の他にも人の渋滞やアリの渋滞、はてはインターネット上の情報の渋滞にも触れている。

 そして、渋滞を表すモデルとして、ASEP(エイセップ)やセルオートマトンといったモデルを紹介している。渋滞は、ニュートンの基本三原理(慣性の法則、作用=反作用の法則、運動の法則)が適用できない点で難しいらしい。なぜなら、渋滞を構成するひとつひとつの要素(人や車など)が意思を持って動くから。なるほど。

 個人的には、満員電車から出ようとしてもなかなかでられないのは「アーチアクション」によるもので、すごく納得。めがね橋はこの力を応用したものとのこと。今度、友人との酒のみネタとしよう。(笑)

2011年6月1日水曜日

【読書メモ】臓器は若返る メタボリックドミノの真実 (朝日新書)

臓器は若返る メタボリックドミノの真実 (朝日新書)
伊藤 裕
朝日新聞出版
売り上げランキング: 99983

 この本は、成毛さんの書評で紹介された本で、僕は、4ヶ月ほど前(2011年2月)に読了。参照する機会があったけどメモってなかったので遡って掲載。

 体内でエネルギーを発生させるミトコンドリア。そこでのエネルギー生成の過程を丁寧に教えてくれる。無酸素状態で消費させるブドウ糖によるエネルギー生成と、有酸素で消費される脂肪燃焼による生成。この部分を読むだけでも、ジョギングがダイエットにとても有効であることがわかる。