2011年6月19日日曜日

【読書メモ】日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)
イザヤ・ベンダサン Isaiah Ben-Dasan
角川書店
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 本書は、「日本人は安全と水はただで手に入ると思っている」という有名な言葉の元となった本。今更ながらに読了。日本人の危機管理がネットで叫ばれているなか、ネット(フェイスブック)で紹介されていた明治大学 向殿先生の論文で名著として紹介。これは読まなきゃ。

 諸外国、特にアメリカと日本を比較する本はいろいろ出ているけれども、一方的日本をけなすだけで、解決策を示さない本が目に付くような気が。。。。単なる◯◯かぶれな本が目につくようになった。

 この手の本は、つまるところ、戦勝国から見た敗戦国って感じなのかな。または、西洋から見た東洋。先進国から見た後進国みたいな。どうしても、上から目線になってしまう。結局、「日本は駄目だ」ってことで結ばれる。何も知らない学生時代の僕は、アメリカかぶれになっちゃうわけではないけど、影響は受けたであろう。でも、この本はユダヤ人による著作。歴史的な背景を抜きにして第三者視点で語ってくれていると思う。

 そもそも、本書を手にとったきっかけは、今問題になっている福島原発の国のあまりにお粗末な対応から、「日本と欧米の安全思想の違い」というのが自動車ジャーナリスト:清水和夫氏のフェイスブック上でリンクされていた。ここで、引用されたいた明治大学 向殿先生の論文にもあった、「日本人は安全と 水は無料で手に入ると思い込んでいる」から興味を持った。

 この本にはいろいろと気づきがあって、長文になりそうだけど、手短にいくつか抜粋してメモってみる。
 日本人は計画的に物事を遂行するのが得意。納期もきっちり。(自分はそうでもないような気がするが。。。(笑))これは、中世の日本人の80%が農民だったことに由来するのかもしれない。農民は自然相手に分刻みのスケジュールを立てなければ収穫ができない。
 日本人は「人間」・「人間的」・「人間味あふるる」といった意味の人間という言葉を基準とした一つの立法を持っている。そしてこれを崇拝する宗教を信仰している。これにはとても関心させられる。この本を読んで最も納得したところ。この理屈で行けば、洋風で結婚式を挙げ、和風で葬式を執り行う日本人のこともなんとなく納得がいく。人間らしければ良いのです。もっと早く読んでおけばよかった。。。

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