2011年4月25日月曜日

【読書メモ】アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)

アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)
「NHKスペシャル」取材班
新潮社
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 アフリカって一括りでしかあまり印象がないワタクシ。ガーナチョコとかぐらいか。この本はNHK「アフリカンドリーム」というNHKスペシャルの取材班に参加したディレクターがまとめたもの。ケニア、ウガンダ、ルワンダ、エチオピア、ザンビア、タンザニア、ボツワナ、ジンバブエ、南アフリカについて綴られている。

 マサイ族の女性が民族衣装からおもむろにNOKIA製携帯を取り出す。写真もあったけど、不思議な光景。個人的に、民族対立のため、悲惨な虐殺のあったルワンダのあまりの変わり様にはびっくり。成長率は世界でもトップクラスの年8%。そんな国をリードしているのが、紛争時に海外に非難して、海外で教育を受けた人たち。納得。でもルワンダの不動産王の師匠は大阪人と聞いてなんか嬉しくなってしまう。

 エチオピア、ザンビア、ここには中国企業が資源争奪のもとに進出。当面は続くんだろうな。
 タンザニア、ボツワナの国々も資源争奪。こちらは主に金。富を持っていくのは結局、一部の人達だけで、広く行き渡るのはなかなか難しいんだなと。
 ジンバブエ。ここはのっけから経済破綻している国。原因はムガベ大統領その人。独立の英雄も経済についてはまるで素人で、巨額の富を独占。なるほど、これはどこぞの国とそっくりだ。国は変わっても無能な独裁者っていうのは同じなんだなぁと(笑)
 しかし、そんな国に住んでいる人々も黙っているだけでなくて、活路を隣国の南アフリカに。南アフリカはこのような不法就労のジンバブエ人を積極採用。経営者から見たら低賃金でこんなに真面目に働くジンバブエ人は格好の労働力。(ジンバブエは経済破綻する前は教育水準がアフリカでも随一のレベルだった)
 一方で、南アフリカの労働者も黙っていられない。仕事が取られちゃうわけだから。うまくいきませんな。

 ということで、なかなか読み応えのある本です。

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