2011年7月31日日曜日

【読書メモ】奇跡の生還を科学する 恐怖に負けない脳とこころ

奇跡の生還を科学する 恐怖に負けない脳とこころ
ジェフ・ワイズ
青土社
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 こちら、HONZ.JPで取り上げられた本。非常事態の時に冷静に行動するにはどうすれば良いのか。何かヒントがあるかもしれないということで、興味をそそられた本。で、結論から言うと、近道はなく、非常事態でも反射的に正しい行動ができるようひたすら訓練する、そして、そのような状況を楽しむように受け入れる、しかないようです。

 この本では、熊に襲われ、生還したヒトの話、何十年もの経験を積んだ舞台俳優が、舞台で緊張のあまり、台詞を忘れてしまう話、操縦した飛行機が墜落しかかったが驚くべき冷静な対応で生還した人の話など、いろいろなケースを取り上げて、どうすれば非常時に冷静に行動できるかを探っている。

 印象的だったことのメモ。

・激しい恐怖とうまく付き合えるかどうかは前頭皮質と扁桃核の調和にある。扁桃核は興奮させる側、前頭皮質は抑制する側。
・ストレスを感じると、意識、無意識にかかわらず、交感神経の働きで呼吸は速く、浅くなる。その結果、血液中に酸素が溶け込みすぎて、二酸化炭素の濃度が低過ぎになる。このようにアンバランスが起きると血管が収縮するので、脳では逆に酸素が不足する。その結果、呼吸が速く、浅くなる。そして過換気がおきて頭がくらくらになる。これらの症状を回避するすべは無く、ヒトは無意識のうちのそのような状況になるところを避ける様になる。
・舞台恐怖の解決方法として認知行動療法が挙げられる。恐怖心と向き合い、自信を育てていくことで舞台恐怖を克服する。
・恐怖は恐れるのではなく、恐怖を仲間にする。克服するのではなく、かといって味わう場面を避けるわけでもないと考えることが良い。

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